マレーシアの安全運転をサポートするテレマティクス技術


マレーシアの安全運転をサポートするテレマティクス技術


マレーシアで車を運転すると、運転モラルに驚かさせることがあります。急な割り込み、スピードの出しすぎ、あおり運転、ウインカーなしの車線変更など悪質な運転モラルに起因した事故は日常的に発生しています。実際に事故現場を見かけることも多く、1日に2回目撃することもあるほどです。

General Road Accident Statistics in Malaysia (1997 – 2016)によると、マレーシアでは人口 10 万人あたりの交通事故死者数が年間22.6人で、東南アジア地域で比較するとタイに次ぎ2番目に多くなっています。日本と比較すると5倍~6倍の交通事故死者率ということになります。多くの人が事故や渋滞に巻き込まれたりしている現状は、マレーシアの国家的な損失となっているといえるでしょう。

マレーシアの交通事故数

Year 登録車数
(千台)
人口
(千人)
自動車事故数 死亡事故数 重症 軽いけが 車1万台あたりの死亡事故数
人口 10 万人あたりの
死亡事故数
2012    22,702     29,300     462,423    6,917       5,868   11,654 3.05 23.6
2013    23,819     29,947     477,204    6,915       4,597      8,388 2.90 23.10
2014    25,101     30,300     476,196    6,674       4,432      8,598 2.66 22.00
2015 26,301 31,190 489,606 6,706 4,120 7,432 2.55 21.5
2016 27,613 31,660 521466 7152 TBP TBP 2.59 22.6
TBP = To be published
  (出典:General Road Accident Statistics in Malaysia (1997 – 2016)



テレマティクス技術を使った「安全運転24時間監視サービス」

この国家的な課題を少しでも解決するために立ち上がったプロジェクトがテレマティクス技術を使った「安全運転24時間監視サービス」です。
TKインターナショナルが販売するテレマティクス車載端末で取得される走行データを基に、ドライバーの運転操作を分析し、日頃から安全運転を行っているかを「見える化」します。テレマティクス車載端末から送信されてくる車の運行状況をリアルタイムに見える化、そして、自動的に運行レポートの作成、安全運転指標やエコドライブ指標など運転操作に対して自動的に点数化していきます。

走行データをもとにシステムが自動的にレポートを作成しますので、客観的に運転モラルの現状を把握することができます。また、このレポートをもとに運転操作をアドバイスすることで会社全体の運転モラル、安全意識を向上させることができます。



自動車事故を未然に防ぐ技術

自動車保険など事後が起こった後の対処については様々なサービスがありますが、「安全運転24時間監視サービス」はそれ以前に事故を起こさないためのサービスです。従業員が起こす自動車事故は会社がかかえるリスクの1つです。自社で運行する車両の「見える化」は自動車事故を防ぎ、社会的に信頼される会社が取り組むべき姿といえるでしょう。

車両データを取得する方法


現在位置・走行ルート・運行状況などリアルタイムに車両からのデータを受信するために、各車両にはテレマティクス車載端末(ODB2デバイス)を取り付けます。
TKインターナショナルがマレーシアで現地調達するテレマティクス車載端末にはデータ通信用のSIMカードが組み込まれていて、その通信回線を使っていつでもデータを受信できるようになります。お客様からは「携帯電話のように、車と連絡がとれるようになった」と言われることがあります。

テレマティクス車載端末は世界で標準化されていますので、乗用車、ミニバンなど商用車として使用されているほとんどの車両に取り付けることができます。

外見からは端末が見えないように、ダッシュボードのなかに収納することも可能です。

いつでもモニターが可能に

車両へのテレマティクス車載端末を取り付けが完了し、データ通信が開始されますと、日本のオークネット社が提供する車両運行管理サービス「KITARO」を使ってデータを参照することができるようになります。

「KITARO」はオークネット社が自動車オークションや車両検査で得た知識を元に開発したクラウドサービスです。使いやすさ、画面の分かりやすさ、きめ細かなレポート表示、安全指標、エコドライブ指標などが評価されており、日本でも多くの企業ユーザーに使用されています。


マレーシアでも高い評価を得る「KITARO」

2016年7月にオークネット社とTKインターナショナルによりマレーシアでのサービス提供が発表されて以来、「KITARO」を活用した車両運行管理サービスは各種メディアにも取り上げられています。

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お客様の声

導入いただいたお客様からも「今までの不安が解消された」「車を使った不正が発生しなくなった」「お客様からの問い合わせに早く回答できるようになった」「コスト削減効果があった」などご評価をいただく声が寄せられています。安全運転の向上だけではなく、業種ごとに様々な導入効果があらわれています。
Kitarocase1

製造業

部品を運搬するために使用している。遠方のお客様まで運搬することがあり、お客様から到着時間の問い合わせを受けることがあるためKITAROを導入。従来より丁寧なお客様対応ができるようになった。
Kitarocase2

食品メーカー

販売先の店舗を回るルートセールスに使用している車両。朝、事務所を出発して、夕方に帰社することが多いため、ルート管理に課題があったが、KITAROの導入により運行状況を把握できるようになったため、効率的に訪問先の指示を出すことができるようになった。
Kitarocase3

飲食店

自社で営業する複数の飲食店に食材の搬入を搬入するための車両。安全、確実に食材を届けるだけではなく、遅延なく運搬されているか確認する必要があるためKITAROを導入。
Kitarocase4

製造業

定期的にクアラルンプールからペナンまで部品を運搬している車両。長距離、長時間運転になるため、運転時間や勤務時間の管理に課題があったためKITAROを導入。車両の運行管理、従業員の勤怠管理が効率化されたため、コスト削減もあった。

KITAROの特長

1.位置情報、走行距離が見える

管理者は、すべての車両の位置情報をリアルタイムで把握して、緊急時には最寄の車を発見し、指示を迅速に出すことが可能です。また、過去の走行履歴やこれから向かう場所の到着時刻を予測できるのでお客様からのお問い合わせにも即座に回答することが出来ます。

2.正確な日報、月報を自動作成

走行中、車両はいつでもインターネットにつながっているので、事務所に戻ってパソコンを開くと当日の運行履歴や日報のひな形が作成されています。ドライバーは、内容を確認して管理者に提出することで日常業務の効率化が図れます。

3.やさしく見守る、楽しく支える

安全評価(急発進、急ブレーキ等)とエコドライブ評価(アクセル操作やアイドリング等)でドライバーの運転成績をランキングします。管理者は、データに基づく的確な安全運転指導をドライバーの理解のもと行うことが出来ます。



今後の事業計画について

2018年1月より、タイガー商事とTKインターナショナルは「安全運転24時間監視サービス」を開始することにいたしました。タイガー商事は、車の修理や点検、整備などにおいて優れた知識と高い技術力、そして最新の設備をもって、マレーシアのお客様にサービスを提供してきました。また、TKインターナショナルはクラウドサービス、IoT技術検証サービスなどの提供を行っています。タイガー商事とTKインターナショナルは「安全運転24時間監視サービス」の提供を通じて、より安全で生産性の高いマレーシア社会の実現に貢献できるよう努めてまいります。



IT企業のマレーシア進出事例


会社名:株式会社オークネット
サービス名:フリートマネジメント「KITARO」
販売代理店::TK International Sdn Bhd

情報流通支援サービスの株式会社オークネットは、2017年7月20日より、日本国内で提供しているクラウド型の運行管理システム「KITARO」を英語化し、東南アジア地域での提供を開始いたしました。最初の拠点はマレーシアで、現地企業にクラウドシステムを提供しているTKインターナショナルと業務提携し、展開いたしました。