インタビュー:IT進出企業に聞く!マレーシアを選んだ理由

2014年にマレーシアに移住、ITコンサルティング会社を設立。「なぜマレーシアを進出する国として選んだのか」


会社名:TK International Sdn Bhd
設立日:2014年4月9日
サービス概要:
  • ITビジネスコンサルティング
  • クラウドサービス販売
  • IoT実証ラボ
  • デジタルマーケティング
インタビュー:Managing Director & CEO 阿部慎吾氏


仕事がらマレーシアに進出されたIT企業の経営者の方とよく話をすることがありますので、多くの経営者からお伺いした「なぜマレーシアを進出する国として選んだのか」ということもまとめてお話したいと思います。



1つめは生活環境です。これはマレーシアで会社を設立して、経営者自身がマレーシアで暮らす、あるいは日本から社員を駐在させるような場合に、ご自身や社員だけではなくその家族の生活も考えなければならないケースがあります。家族にとっては住み慣れた日本の生活を離れることになるわけですので、ある程度、生活水準が満たされる国でなければ、家族の理解を得ることが難しいと考えられます。

学校や治安など、まずは基本的な生活環境について確認されたということですね?

そうですね。まずそもそも生活しやすいかということを確認しました。マレーシアは一年を通して温暖な気候です。日中は30度を超えて、かなり暑くなりますが、日本の夏のような不快な暑さではないのと、日陰に入るとそれほど暑さを感じないです。

マレーシアで生活していて、日中には室内にいたり、車で移動したりするので、もともと野外にいる時間はそれほど多くはないので、暑さを感じる時間が少ないということもあると思います。 むしろ、室内の冷房が効きすぎていることが結構ありまして、寒さ対策しないといけないことが多いです。

お子さんがいる家庭が移住する場合には学校や教育環境が気になると思います。私が住んでいるクアラルンプール近郊には、クアラルンプール日本人学校があって幼稚部、小学部、中学部までで700名以上の生徒が通っています。基本的な学校の運営やカリキュラムは日本の学校と同じですので、日本の学校から転校してきても違和感なく通学できると思います。日本人学校は先生も生徒も転校生の受け入れに非常に慣れていますね。転校生がくることを生徒たちは楽しみにしているようです。



それから、インターナショナルスクール、プリスクール、語学学校や習い事の教室もたくさん選択肢があります。英語など多言語で習い事に参加できて、多国籍な友達作りができるのはマレーシアの良さだと思います。

クアラルンプールの街を歩くと、日本語の表示や日本食レストラン、スーパーマーケットにはいると日本から輸入された食材がたくさん並んでいます。もはや日常的に必要なもので、マレーシアで手に入らないものはないのではないでしょうか。そのくらい、日本のものや日本式のサービスが街にあふれています。

また、マレーシア人の多くが親日的です。様々な海外の文化を受け入れる風潮がありますが、マレーシアの方と話をしていると、日本に対する「憧れ」のような気持ちを感じることが多いです。「日本に行ってみたい」と思っているマレーシア人は非常に多いです。  

次にビジネス面の環境はいかがでしょうか?

 
先ほどの生活環境とも関係してきますが、日々の生活やビジネスでも英語を共通言語として使えるのがありがたいです。英語を共通語として、マレー人や中華系の方とコミュニケーションすることができます。多国籍な従業員を雇用するときに民族同士がコミュニケーションできないと困ることになりますが、マレーシアではそのような心配をする必要はありません。

マレー人がマレー語で会話しているときに、中華系の方が加わると、英語に切り替えて会話を続けることは日常的に見られる光景です。ビジネス文書も英語で作成することができます。

それから、政治的に安定しているということも重要な視点だと思います。最近は少し不安定な面も見えますが、それでも他のアジア諸国と比較すると長年にわたり安定した国家運営がなされています。外資参入に対しても徐々に規制が緩和される傾向にあります。



IT企業の外資参入についてはどのような状況でしょうか?

 
20年以上前から一貫してマレーシア政府が積極的に外資のIT企業を誘致しています。
1996年に設立された「マルチメディア開発公社(Multimedia Development Corporation通称MDeC)」は現在はマレーシアデジタルエコノミー公社(Malaysia Digital Economy Corporation通称は同じくMDEC)に名称を変えましたが、継続して、外資IT企業の誘致に積極的です。

マレーシア政府機関であるMDECがマレーシアの国家的戦略にそってIT分野の戦略を実行しています。IT企業向けの優遇制度である「MSCステータス」もMDECが認定、運営しています。


他の産業分野と比較しても、IT産業分野は優遇されているということでしょうか?

 
そう言えると思います。「MSCステータス」を取得した企業は条件を満たせば、10年間にわたり法人税が免税になります。それから外国人の就労ビザも比較的容易に取得することができます。

「MSCステータス」企業を対象とした就労ビザの申請、発行は先ほどのMDECが専門の窓口を開設して運営しているので、スムーズに進みます。他の産業分野では外国人の就労ビザが発行されにくくなっていると聞きますが、IT産業分野は特別扱いされているようです。
100%の外資で法人を設立することができ、様々な優遇制度が提供され、積極的に外国人の就労ビザが発行されている産業分野は他にないと思います。



IT企業にとって、マレーシア市場はどのような魅力がありますか?

 
マレーシアの人口規模は約3,200万人で、他の東南アジア諸国と比較して大きくはありませんが、1人当たり国民総所得(GNI)は1万USドル近辺にあって、世界銀行が定義する高所得国入りする間近となっています。可処分所得の多い中間所得層、富裕層が増えてくることで、日本の製品やサービスの市場も拡大していくとみられます。

若い世代が多いマレーシアはインターネット利用やスマートフォンの利用度が非常に高く、個人の1日のインターネット利用時間は8時間27分(2017年)、スマートフォンの普及率は97.7%(2017年)となっています。消費が旺盛で、ITリテラシーも高いこのセグメントはIT企業にとって非常に魅力的に見えると思います。

日本とマレーシアの時差は1時間しかありませんので、日本の組織との連携がしやすいということも魅力だと思います。IT企業にとってSlackやChatworkなどのチャットツールやオンライン会議をつかって時間や場所を問わないワークスタイルは当たり前のように使われていると思いますが、時差1時間のマレーシアであれば、リアルタイムにコミュニケーションができて、組織的に孤立した状態になりにくいのだと思います。

B2Bビジネスに目を向けますと、こちらも産業全体にわたってビジネスチャンスがあると思います。過去、マレーシアは製造業の外資誘致や産業振興を積極的に行ってきました。諸外国と比べて人件費が安かったので、労働集約型の産業分野が成長してきたわけですが、人件費の上昇にともなって、製造業など労働者を多く抱える産業は機械化や自動化を進めて、生産性を上げていく必要に迫られています。生産性を上げていかなくてはならない経営課題を解決する手段としてIT活用が提案できると思います。
マレーシア政府もこのことを強く意識していまして、「Industry 4.0」というキャッチフレーズでIoTやビックデータ、クラウドサービスなどのテクノロジを活用して産業全体の転換を後押ししています。


ITを活用した産業構造の転換というところ様々なビジネスチャンスがありそうですね。


産業全体の生産性を上げていくということは2020年に先進国入りすることを国家目標としているマレーシアにとって避けられない取り組みになっています。
タイ国など製造業が多い他の東南アジア諸国も同様に始まっていますので、マレーシアでいち早く成功モデルを作ることができれば、他の国にも横展開しやすいところも東南アジアのハブ拠点になっているマレーシアの面白さの1つだと思います。


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